Introduce出会い
津曲りんごが獲れる時期にしか作れない、特別なアップルパイができあがりました。りんごは熱を加えるとペースト状になるものと、シャリシャリの食感になるものとがあります。その特性を生かし、3種類のりんごを使ったアップルパイを作り上げました。
五戸町倉石・漆戸りんご園さんとのご縁は、もう10年ほどになるでしょうか。お店を始めたころに、知人の紹介で知り合いました。漆戸さんのりんごは糖度が高く、少量の砂糖とりんごの甘さだけで十分おいしいお菓子が作れます。素材の味を楽しんで頂けるよう、シナモンは少なめに。旬のりんごの味わいをぜひ楽しんでほしいです。

Message生産者さんからのメッセージ
亨五戸町倉石地区は昔から紅玉の産地です。かつて、青森県内では津軽地方では国光、南部地方では紅玉の生産が盛んで、どちらの品種も、生食より加工用として重宝されました。しかし、加工用の品種はふじと比べると価格が安かったので、ふじの生産に切り替える農家が多かったです。
亨うちではりんごの生産は祖父の代から始まって、その頃から紅玉を作っています。現在はふじ7割、王林2割、紅玉を含むほかの品種が1割と、紅玉の生産量は多くはないですが、ずっとここで作り続けています。
亨りんごの品種によって育て方は変わるので、すべてを同じようにはできません。品種だけでなく、木の状態によっても変わります。たとえば、元気な木とそうでない木とでは、剪定の方法を変えています。土の質も影響するので、化学肥料は一切使わず、堆肥をまいて土づくりをします。秋になると土の水分が抜けてきて、りんごの味が濃くなります。
啓大きいりんごを作りたければ、枝をたくさん切ればいいんだけど、うちはそこまでの剪定はしていません。りんごにきれいに色をつけるための葉とりも、早い時期には行わないことと、必要以上に葉を取りすぎないことに気をつけています。
亨りんご作りのやりがいは、食べた人に「美味しい」と言ってもらえること。それがいちばんです。
啓りんごは品種がたくさんあって、それぞれ特徴もある。食べてもまったく違うし、その違いを比べるのが楽しいですね。
亨りんごの師匠はたくさんいます。中でも、ずっと大切にしている師匠からの言葉があって、「おいしいりんごを作れ」というもの。大きくて色がきれいで見栄えがいいりんごは、市場で高く売れてお金になる。でも味が伴わずに売れなくなったら、りんご農家を続けられなくなる。だからうちは「食べておいしいりんご」にこだわっている。見栄えより味で勝負したい。
啓わたしの師匠は父ですね。この教えは父から自分にもちゃんと受け継がれています。
亨ヤスヒロさんのお菓子はぜんぶおいしいんだけど、このアップルパイも本当においしい。3種類のりんごを使い分けていて、りんごのおいしさをしっかり感じることができる。生地もサクサクしていて、りんごのお菓子はこれがいちばん。やっぱりおいしいなぁ。
啓師匠の教えを守り、いままで続けてきたことを大切にしながら、これからも美味しいリンゴを届け続けていきたいです。気候や環境の変化も年々厳しさを増していますが、それに負けずにりんごを作っていきます。
漆戸りんご園
五戸町倉石地区で100年以上続く農家。三代目の父・亨さんの代でりんご専業農家に。亨さんと、息子の啓さん(四代目)を中心に、ふじ、王林、紅玉、ジョナゴールド、早生ふじなど、化学肥料を使わず自然に近い状態で作ることを守っている。食べた人に「おいしい」と言ってもらえるりんご作りにこだわっている。
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